鎌倉の植物の色をまとうSDGsシャツ

「SDGs未来都市」として、地域・社会の課題解決に向けた取り組みを進める鎌倉市。この古都で、魅力的なものづくりを続ける「メーカーズシャツ鎌倉」が始めた、ユニークな取り組みを紹介しましょう。
鎌倉の花で染めた“環境と身体にいい”シャツ

「メーカーズシャツ鎌倉」鎌倉本店
国内店舗は6都府県に広がり、日本製にこだわるシャツを求めるビジネスマンから“鎌倉シャツ”の愛称で慕われる「メーカーズシャツ鎌倉」。その本店が、鶴岡八幡宮にほど近い雪ノ下にあります。

ボタニカルダイ1作目は2021年発売の「紫陽花シャツ」
鎌倉の寺社は四季折々に花を咲かせ、訪れる人をいつも楽しませてくれます。「メーカーズシャツ鎌倉」では、見頃の終わった花々を使って仕立てたシャツを、2021年から「ボタニカルダイアイテム」としてシリーズ展開しています。

季節ごとに鎌倉を彩る植物から色素を抽出していく
草木から色素を抽出して生地を染め上げるボタニカルダイは、色の定着性を保ちつつ化学薬品の使用を極力抑え、環境や人体に負荷をかけない製法を採用。天然由来の奥行きのある染め生地がやさしく身体を包み込む、とお客さんの評判も上々のようです。

枯れ落ちる前に剪定した草木をそれぞれの寺社から譲り受ける
赤みが印象的な「百日紅(サルスベリ)」は長谷寺から。ピンクの「桜」、黄色の「牡丹」、爽やかな青さの「紫陽花」は建長寺から。アイテムによって色の展開が異なるため、気になる人はWebサイトでチェックしましょう。

水、染料、化学薬品すべての使用量を最小限に。四季を感じるシャツはなんともナチュラル
ていねいな暮らしに似合う、ていねいなシャツ。鎌倉を表すファッションとしてぜひ手に入れてください。鎌倉本店には各種の製品サンプルがあるので、実際の色や感触を確かめながら自分によりフィットしたボタニカルダイをパターンオーダーすることも可能です。

桜の色合いがかわいらしい雰囲気のシャツは、派手すぎず男性にもおすすめ

黄色の牡丹で染めたシャツは、着る人に落ち着きと明るい印象を与えてくれる
一番好きな季節の花の色でボタニカルダイを選んで、鎌倉を散策するのもいい気分。環境にやさしく、身体に合ったお気に入りのシャツを求めに、鎌倉本店へ足を運んでみましょう。
お寺さんと共同開発した「究極の作務衣」

住職らのリクエストをもとに、パターンからオリジナルで起こした作務衣
“鎌倉シャツ”が手がけた「作務衣」は、寺社からの声で生まれた地元のヒット商品です。実際に着る住職さん達と相談しながら1年以上かけ縫製からシルエット、ポケットの数や位置までこだわり抜き「究極の作務衣」はできたそうです。

綿・麻の生地は色移りせず、白いTシャツとも気軽に合わせて着ることができる
“鎌倉シャツ”らしくスタイリッシュな上品さと着心地の良さで、リピーターが絶えません。生地はオックスフォードとストレッチリネンの2種類に、今年はカイハラデニムが8月末予約開始(予定)で加わります。

袖と裾回りは絞りが入っているため、だぶつかず動きやすい
オーダーはすべてオンライン限定ですが、鎌倉本店では生地の仕様が異なるサイズ確認用サンプルを試着可能。より自分に合った作務衣を手に入れる、これもまた鎌倉を訪れる理由になりそうです。
環境にもお財布にも優しい「SDGsコーナー」

実は、鎌倉本店のみ、訳あり品をお値打ちにして販売するアウトレットコーナーがあります。傷や小さな汚れなどさまざまな理由の訳あり品のなかには「この程度で!」という商品もあり、厳しい目で検品をしているメーカーの自負が感じられます。
旅先で、ぜひあなたらしいSDGsシャツを見つけてくださいね。欲しかったあの掘り出し物にも出合えるかもしれませんよ。