北鎌倉エリアのお寺 -建長寺・円覚寺・明月院・浄智寺

建長寺
けんちょうじ
こんな寺社です!
- 北鎌倉の顔ともいえる格式高い禅宗寺院です。
- 三門から続く中国式の重厚な伽藍配置です。
- 本尊、天井画などみどころが豊富です。
建長5年(1253)、北条時頼により創建された古刹です。日本最初期の禅宗道場であり、「建長汁(けんちん汁)」が生まれた寺としても知られています。宋の五山である万寿寺を手本に、三門、仏殿、法堂など主要な建物が一直線に並ぶ、中国式の伽藍配置が特徴です。境内は国の史跡に指定されています。
\ 必見 /
三門
さんもん

安永4年(1775)建立された。銅板葺きの二重門は重厚感あるたたずまいです。壁や門扉をもたず、仁王像などを置かない簡素な造りで、禅の世界を表現しています。国の重要文化財に指定されています。
仏殿の欄間の彫刻
ぶつでんのらんまのちょうこく

仏殿内では格子天井の見事な絵や欄間の彫刻など、当時の職人の高い技術がうかがえます。
法堂天井画雲龍図
はっとうてんじょうがうんりゅうず

縦10m、横12mに及ぶ大迫力の雲龍図です。鎌倉に暮らしていた日本画家・小泉淳作が1年以上の歳月をかけて製作した力作です。堂内には千手観音像が安置されています。
中国で「五爪(ごそう)の龍」は天下を治める者を意味する天子の象徴
地蔵菩薩坐像
じぞうぼさつざぞう

室町時代につくられた本尊で、釈迦仏が多い禅寺の本尊としては珍しい例といえます。地蔵菩薩坐像を安置する仏殿の内部には、華麗な彫刻が施されています。
像高は約2.4mもあります。また、仏殿は徳川2代将軍・秀忠の正室の霊屋を移築したものです。
基本情報
円覚寺
えんがくじ
こんな寺社です!
- 2つの国宝を筆頭に室町文化の粋を伝えます。
- 多くの文豪を魅了、文学作品の舞台になっています。
- 鎌倉ゆかりの作家のひとり、夏目漱石の足跡もあります。
弘安5年(1282)に創建された臨済宗円覚寺派の大本山です。鎌倉幕府8代執権・北条時宗が元・高麗連合の対日侵攻、元冠での戦没者を弔うため、宋の禅師・無学祖元を招聘して開山しました。以後、一山一寧や夢窓疎石など名だたる高僧が住職を務めています。夏目漱石『門』や川端康成『千羽鶴』など、多くの文学作品の舞台にもなっています。
\ 必見 /
山門
さんもん

天明5年(1785)に禅僧・大用国師によって再建された山門は、杉木立の緑と相まって荘厳な雰囲気を醸し出します。
仏殿
ぶつでん

本尊の宝冠釈迦如来像が安置されています。天井画の白龍図は大和絵の著名な画家・前田青邨とその弟子・守屋多々志によって描かれました。
日本に伝わる三爪の龍は、天・地・海の三界を治めることを意味します。
舎利殿
しゃりでん

建造物としては神奈川県で唯一、国宝に指定されています。通常は非公開ですが、正月三が日とGW、11月の宝物風入時に建物外観を公開します。
源実朝が宋から請来した「佛牙(ぶつげ)舎利」というお釈迦様の歯を祭っています。
帰源院
きげんいん

境内は非公開ですが、夏目漱石ゆかりの山門前の階段などは見学が可能です。句碑もここにあります。

夏目漱石の『門』にも登場した山門前の階段です。
毎年4月29日の夏目漱石の命日に「漱石の会」を開催します。
基本情報
明月院
めいげついん
こんな寺社です!
- 明月院ブルー”とよばれるアジサイの名所です。
- 悟りの窓から望む庭園が見事です。
永暦元年(1160)に創建された明月庵が起源とされています。その後、鎌倉幕府5代執権・北条時頼が創建した最明寺の禅僧・蘭渓道隆が再興した禅興寺を経て、康暦2年(1380)に武将・上杉憲方が寺院を拡大 しました。名を明月院と改め、禅興寺の子院の首位に置かれました。
\ 必見 /
参道
さんどう
6月には約2500株のアジサイが総門から山門へと続く参道の両脇に咲き誇ります。
本堂
ほんどう

枯山水庭園と後庭園の2つの庭園があります。後庭園は、ハナショウブと紅葉の時期に特別公開されます。
後庭園は堂内の丸い「悟りの窓」からのみ眺められます。
明月院やぐら
めいげついんやぐら

間口約7m、奥行約6m、高さ約3mの鎌倉最大の洞窟墓です。内部の壁面には釈迦如来などが彫られ、上杉憲方の墓とされる宝篋印塔を安置しています。
洞窟内は静謐な雰囲気に満ちています。
基本情報
浄智寺
じょうちじ
こんな寺社です!
- 山門に掛かる梵鐘は県の文化財です。
- 霊験あらたかな布袋尊像も必見です。
若くして亡くなった北条時頼の三男・宗政の菩提を弔うため、弘安4年(1281)ごろに創建されました。鎌倉五山第四位に位置づけられ、臨済宗円覚寺派に属します。最盛期には七堂伽藍を備え、11の塔頭をもつほど栄えました。境内は国の史跡に指定されています。
\ 必見 /
仏殿
ぶつでん

過去(阿弥陀如来)、現在(釈迦如来)、未来(弥勒菩薩)を象徴する木造三世仏坐像を安置しています。
書院
しょいん

仏殿の裏手に立つ、庭園にはアヤメや月見草、梅など四季折々の花が咲き、風情たっぷりです。
茅葺き屋根の素朴な造りが特徴です。
鐘楼門
しょうろうもん

鎌倉で唯一の中国式・唐様の門です。花形に造られた花頭窓のある上層部に梵鐘が吊るされた珍しい様式です。
2階に掛かる鐘は県の文化財です。
布袋尊像
ほていそんぞう

福徳円満の神として知られ、鎌倉江の島七福神巡りの一つです。境内裏手の洞窟に安置されています。
お腹をなでると運気上昇のご利益があるといわれています。